私にとってフランス語は、英語以外で流暢な話者になれた初めての言語でした。私はフランス語を聴くのが大好きで、発音が美しければ尚更です。フランス語の美しい発音を習得するのは、フランス語学習者が直面する課題のひとつだと思います。いくつか提案がありますので、学習の手助けになれば光栄です。

フランス語の文字の発音に関しては、オンラインで情報が簡単に手に入るので詳しくは説明しません。ただここでお勧めするのは、このようなソースを頻繁に参照して重要な詳細を思い返すことです。アクセントが「e」の発音に影響するという事実や、単語が並ぶ位置によっては多くの文字が発音されないことなど、あなた自身で調べられる詳細に注意を傾けましょう。

フランス語の発音における一般的な留意事項

どの言語でも同じですが、発音を学ぶ際にはリスニングに多くの時間をかけることが重要です。


同じコンテンツを繰り返し聴くことも含み、あなたの脳がフランス語に慣れる機会をたくさん作りましょう。フランス語には、日本語にはない独特の音があります。これらの音がはっきり聞こえるようになるまでは、発音するのはさらに難しいかと思います。リスニングを通してあなたの脳が今まで聞いたことのない音を認識し始めるには、その音にたくさんたくさん触れる必要があります。

私が新しい言語を始めるときはたいてい、 LingQのミニストーリー(フランス語もあり)のような初心者向けのコンテンツで簡単なストーリーを20~30回ほど聴くことから始めます。ギリシャ語のときは、4分ほどのミニストーリーを平均各40回聴きました。馴染みのなかった新しい言語でも、音に集中的にさらされた後は発音がぐっと易しくなります。

私はロシア語を話す自分の記録を語学学習用のフォーラムに載せたことがあります。自分ではそれほど酷いとは思っていませんでしたが、他の学習者からは徹底的に批判され、笑い者になったのを覚えています。時間をかけましょう。自分に機会を与えてください。きれいに発音できるかどうかを心配する前に、フランス語の音に十分触れることが近道となります。

積極的なリスニングは、学習している期間を通して発音を改善する戦略の重要部分であるはずです。これは上級スピーカーでも同じ。私自身、フランス語でオーディオブックを聞いた後には自分の発音が良くなることにも気づいています。最近では、関心のあるテーマに関する音声付きの資料を見つけるのも簡単になりましたね。初心者向けのテキストを卒業してからも、たくさんのリスニングを通して言語を楽しみましょう。続けることが大事です。フランス語の発音の改善に引き続き役立つこと間違いありません。

 

鼻音

フランス語がとても魅力的に聞こえるのは、鼻母音という音素があるからです。鼻母音には以下の4つがあります。

1. [ɛ̃]: vin, pain, peindre
2. [ɑ̃]: cent, sens, quand
3. [ɔ̃]: vont, mon, ton
4. [œ̃]: un, brun, Verdun
最近では4番目の鼻母音(un, brun, Verdun)はあまり使われず、1番目の鼻母音(vin-pin-peindre)のみを使うフランス人が多いようです。

これらの鼻母音を正確に習得することが重要です。混同しないためにはかなりの時間を費やすことになるでしょう。練習することで完璧に近づきます。声を出して読むときには、これらの鼻母音を少し大袈裟に言ってみるといいですよ。

テキストと音声ファイルがある短いテキストを聴いて練習しましょう。声に出して読み上げたり、または自身を録音してみるのもいいです。鼻母音に集中してくださいね。これらの音を正しく出すための自然な能力を延ばすためには、まず大袈裟に言ってみる必要があります。そして次のステップはネイティブスピーカーの話し方を聞いて比較することです。

 

喉音の「r」

フランス語を話すときに、喉音の「r」を出さないとけない義務はありません。巻き舌の「r」でも、英語のようなソフトな「r」でも問題なく理解されます。しかし、虚栄心なのでしょうか。ほとんどの人がネイティブのような喉音の「r」を発音したいと思うのは当然だと思います。どうすればこのレベルに達することができるのでしょうか?

ここに謎はありません。自然な喉音の「r」を出す能力を高めるには、言語をよく聴き、うがいのようなしわがれ声の音を繰り返し発音する練習を積み重ねる必要があります。英語の「r」でもなければ「l」でもない。喉の奥深くから出す音です。

喉音の「r」を発音するために集中的なトレーニングを行うと、その度にセッション後には喉を労わるためのトローチを舐める必要があるかもしれません。しかし自然に発音することができるようになれば、喉にくすぐりを感じることはなくなります。

 

フランス語の「u」

では、次にフランス語の「u」に関するアドバイスを以下に示します。「who(誰)」と言うときのように唇を丸く尖らせます。そのまま唇をしっかりと円形に保ち、「eee」と言ってみましょう。これを繰り返し続けてください。このひとつの音に集中してくださいね。

優雅なフランス語の発音を得るには、この音を正しくマスターすることが重要です。この音を上手く発音できなくても通じることは通じます。しかし正しく発音することができれば、あなたのフランス語はネイティブのフランス人の耳にも心地よいものになるでしょう。

 

Dangerous Liaisons(危険な関係)

「Les liaisons dangereuses」は、愛と陰謀に関する古典的なフランス小説です。フランス語の発音における重要な特徴のひとつは、前にある単語の最後の音節から次に並ぶ単語の最初の音節に繋がる方法です。非常に多くの場合において類似した音を持つか、そうでなければ無音が発音され次の単語につながります。

Comment ça va
comment allez-vous
vous savez
vous avez
ils-ont
ont-ils
Vingt
vingt et un
vingt et un ans
Mon père
mon homme
mon ami

これは「リエゾン(liaison)」といい、一部にフランス語を難しいと感じる人がいる理由とも言えるかもしれません。単語の終わりと次の単語の始まりに、はっきりとした区別がないようなものだと思ってください。これらのリエゾンを発音できるよう取り組むことは、口頭理解を手助けすることにもなります。

 

イントネーション

英語では、単語中にアクセントを置く傾向があります。特定の音節を他の音節より強く言いますね。英語が歌を歌うように聞こえるのはこのためです。スウェーデン語ほどではありませんけどね。私が何を言おうとしているかはわかっていただけるでしょうか。

フランス語は一般的に単調です。フランス語のイントネーションを注意深く聴き、それを真似る必要があります。単語内の音節におけるさまざまなアクセントは、英語ほど明白ではありません。フランス人は、英語を話す人がするのと同じように、会話内で強調したい部分に対してイントネーションを使います。フランス語のイントネーションとリズムを模倣することこそ、発音練習において重要な部分です。

 

「Euh」

フランス語の「e」は(アクセントが付いていない限り)英語の「her」の中で発音される「e」のように発音します。これは曖昧母音です。たいていは無音ですが、発音しても決して間違いではありません。実際、私の考えでは、機会があるときにはいつでも単語の途中と単語の最後で実際に音を出すことが、フランス語の発音を向上させると思っています。

これで何を得られるかというと、あなたのフランス語にいつも低音の「euh」という音を付けることになり、発音がよりネイティブのように聞こえます。耳を傾けてみてください。この「euh」は非常によく耳にします。例えば単語の語尾に「e」がなくてもこの曖昧母音が付けられることがよくあるのです。英語で言えば「umm」のようなものでしょうか。この音を上手に使えるようになることが、フランス語の発音全体においてとても重要です。

さて、フランス語の発音に関する一般的なアドバイスをいくつかまとめてみましたがいかがだったでしょうか。フランス語の発音を全て説明するつもりはなく、よりネイティブのような発音を出すためのヒントを挙げてみました。 フランス語初心者向けの一般的なアドバイスはこちらを参照してみてください。

ここで説明したフランス語の特徴を、それぞれ個別に練習することをお勧めします。リスニングはたくさん行ってください。声に出して読み上げたり、自分の発音を録音したりして練習してみましょう。語学学習には時間がかかるということは覚えておいてくださいね。最後になりましたが、人と話しているときには全てありのままに出し、自分自身を疑わないようにしましょう。